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平成19年2月 第5号 (日本語版)
エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ株式会社
代表取締役 小溝 勝信
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- 目次 -
はじめに
要約:金融ビジネスに対する認識と金融人材市場の概観
(1) 金融ビジネスの現況に対する認識
(2) 金融人材市場の概観
第一部 金融プロダクト別人材需要
(1) カバレッジ・バンカー
(2) M&A
(3) 資本市場ビジネス(会社により組織のあり方は異なる)
(1) 不動産の証券化
(2) 事業の証券化や特殊なABS
(1) 伝統的資産運用
(2) オルターナティブ
第二部 外資系金融機関と日本の金融機関の「違い」について
(1) メガバンク「劣後」の理由
(2) メガバンクの戦略
(3) メガバンクの「外部採用」に対する提案
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はじめに
06年、日本の「金融人材市場」は実体経済と金融ビジネスの変化を反映し、激変した。05年と反対に外資系金融機関による採用一色であった。日本の金融機関は「改革の旗」を降ろし、外資系金融機関による人材の激しい争奪戦をただ「傍観」していた。
このレポートで06年後半の日本の金融人材市場の様相を説明する。
この「レポート」は、筆者が前職のヘッズジャパンで94年に執筆を開始し、以来半年毎に作成してきた「金融人材レポート」の当社(ESP)における連続版である。今回は第5号である。
要約:金融ビジネスに対する認識と金融人材市場の概観
(1)金融ビジネスの現況に対する認識
世界の金融資産残高は05年末で約140兆ドルあり、それは世界の名目GDP総額の3.3倍に相当する。これは10年前の2.2倍から大きく膨らんでおり、「金余り」状況である。また、マッキンゼーの報告によれば、年間6兆ドルもの資金が国際移動しているとのこと。06年も「金余り」が続いた理由は、世界的な金融緩和政策、米国の巨額な貿易赤字のファイナンス、原油高によるオイルマネー、中国の巨額な外貨準備、円キャリートレードであった。この恩恵を最も受けたのはトップクラスの米国投資銀行、一部の欧州系ユニバーサルバンク、外資系投資ファンドであった。これらの国際資本は「空前」の収益を上げた。その中で米国市場に比較してロンドン・欧州市場の存在感が高まっている。実際、東証の外人による株式売買の過半は欧州勢であり、最近では、欧州からの買収ファンドやヘッジファンドの日本上陸の話が増えている。
一方、国内金融市場では「貯蓄から投資へ」の流れが加速した。個人向け投信の売れ行きは好調で、個人は「リスク資産」への選好を強めている。一方、企業業績が向上する中で、「選択と集中」と「産業の再編」が進んでいる。結果、M&AやTOBの記事が日々新聞紙上を賑わした。また、この夏には「金融商品取引法」が施行されルールがより明確になる。日興コーディアル・グループの不正会計疑惑等、スキャンダルが多発するとの懸念もあるが、逆に、これらの事件で日本の資本市場の透明性が向上すると考えられる。
(2)金融人材市場の概観
上記の変化は「金融人材市場」に強く反映した。06年の金融人材市場は圧倒的に外資系優位で動いており、外資系同士が「即戦力」の引き抜き合戦を展開していた。それに伴い、外資系のプロは「バブル」とも言える条件で転職した。
07年でも人材需要が強い金融ビジネスは、@投資銀行部門のカバレッジ(GIGとFIG)、ECM、M&A、A投資ビジネス(投資ファンドとプリンシパル・インベストメント)、BLBOファイナンス(劣後融資や優先株を含む)、Cクレジット・プロダクトへの投資(小型株、ハイマージンのデット、メザニン、CDO、CDS等への投資を含む)、Dハイブリッドの金融商品の組成(金利、為替、エクイティ・デリバティブ、コモディティ、ファンド・デリバティブ等の合成)、E事業法人の資金調達(負債サイド)に対する仕組みの提案、Fファンド関連(ヘッジファンドのファンドマネジャー、セールス、ヘッジファンド宛てセールス、FOFのゲートキーパー、リテール向け仕組み等)、Gリテール・富裕層関連(経営、戦略立案と執行、営業指揮、商品開発等)であろう。
上記の中で、日本の金融機関は人材採用で「蚊帳の外」に置かれていた。日本の金融機関には「危機感」が感じられず一流の金融プロは興味を示さない。同情すべきことは、「優秀な」日本の金融機関の「若手」が外資系への転職を望んでも、日本の金融機関の「レベル」の低さから受け入れられにくいことである。
しかし、メガバンク3グループや大手証券3社の間にも「違い」が見え始めており、スローではあるが改革を進めようとしている金融機関もある。一方危機感すら持たないメガバンクもある。同じ金融機関の中でも改革派と守旧派がいる。当社としては「改革を志す」金融機関や金融プロの支援をさせて頂きたいと願っている。
最近の金融人材市場で一般的に求められる人材は、セールスでは「良き」営業マンである。「良き」とはますます多様化する顧客のニーズに対し、広範且つ専門的な知識を持って対応するプロである。即ち「マーケット全体の流れを説明出来る人」、「コミュニケーション能力のある人」、「顧客宛て提案力のあるプロ」である。また、商品開発では、顧客が選好する商品開発での「アイディアとセンス」を持つ人である。クオンツ能力ではない。金融商品の開発は過去20年間で一巡しており、今ではその組み合わせでの「センス」や「提案力」が求められている。また、債券やデリバティブといったマーケット商品のマーケターですら「財務諸表を読む力」を求められる。これらの商品も顧客の資本政策に沿った提案をしなければ売れない。即ち、顧客のさまざまな問題に対する「ソリューション能力」が求められている。
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第一部 金融プロダクト別人材需要
図@に見られる通り、06年の人材需要は「件数別」では投資銀行ビジネスが最大であった。しかしほとんどの金融商品で人材需要が強かった。特徴としては、これまで注目されなかったリテールビジネスでの人材需要の勃興である。
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(図@)
ESPのプロダクト別アサインメント残高(平成19年1月31日現在)
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金融ビジネス
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件
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%
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プロダクト
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| 投資銀行ビジネス |
15
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26.8
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カバレッジ、M&A、引受け、IPO |
| 投資ビジネス |
7
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12.5
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バイアウト等ファンド投資、プリンシパル・インベストメント、VC |
| ハイマージン・ファイナンス |
8
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14.3
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LBOファイナンス、メザニン、ストラクチャード・ファイナンス |
| 証券化とクレジットプロダクト |
6
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10.7
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不動産の証券化、事業の証券化、CDS
CDO/CLO |
| 債券・外国為替・デリバティブ |
4
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7.1
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デリバティブ、仕組み債、為替、コモディティ |
| 資産運用 |
8
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14.3
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ヘッジファンド、投信・投資顧問 | |
| リテール |
6
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10.7
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個人富裕層宛てビジネス | |
| その他 |
2
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3.6
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リサーチ、コンプライアンス等 |
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| 合計 |
56
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100.0
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1.投資銀行ビジネス
06年、大手外資系金融機関日本法人の投資銀行部門は、かつてない数の人材採用を行った。大手各社は100人余のスタッフで構成されているが、各社とも「数十人」の採用を行った。彼らは高額の年俸を提示して「即戦力=プロ」の引き抜き合戦を展開していた。特に優秀なプロに対しては、年央でも翌年のボーナスを保証し、積み上がった株・オプションを肩代わりした。これは外資系有利の大型案件が続いたことにもよるが、「07年も好環境は続く」という外資系本社の判断による「先食い」的採用指示でもあった。従って、「即戦力」でない日系金融機関の高齢者(40歳過ぎ)は言うまでもなく、若手ですらかつて程は好まれなくなっていた(勿論、海外経験や強いポテンシャルのある若手に対する需要は引き続きある)。
投資銀行部門は、「ウオールの内側」のビジネスで「顧客」を担当し、「プロダクトの執行」を担当する。即ち、顧客担当のカバレッジ、プロダクト担当のM&Aや資本市場グループ(ECM、DCM、ストラクチャード・ファイナンス)により構成される。06年の大手外資系では、いずれの分野でも人材需要は非常に強かった。内・外の金融機関別に言えば、株式の引受けでは日本の証券、社債の引受けでは銀行系証券、M&Aアドバイザリーでは外資系が強さを発揮していた。(図A参照)。日本の金融機関には国内の中・小型案件が数多くもたらされており、スタッフは多忙を極めていた。従って人材需要は強かったが、採用は、外資系による「採用の嵐」の中で苦戦していた。
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(図A)
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(1) カバレッジ・バンカー
カバレッジ・バンカーは、企業の資本政策、資金調達、M&A、ストラクチャード・ファイナンス、IR等の顧客宛て提案を担当する。TMT(技術、メディア、通信)、GIG(その他一般産業)、FIG(金融機関)、FSG(投資ファンド)等、産業別に分かれている。どの産業グループでも人材需要が強かった。07年でも、GIGは引き続き、どの分野でもM&A、敵対的TOB、資本政策に関するアドバイザリーや資金調達支援のニーズが拡大すると考えられる。また、FIGでは、大手邦銀の再編が終わったとは言え個別金融機関でさまざまなニーズが増えており、加え、地銀や消費者金融会社の再編が見込まれることから業務は拡大すると見られる。従って、引き続き人材需要は強いと予想される。
(2) M&A
日本企業のM&Aは04年以来大活況を続けている。(図B参照)。06年での公表ベースでのM&A総額は15.0兆円で、05年を3.2兆円上回った。件数は2764件で過去最高であった。JTによるガラハーの買収、ソフトバンクによるボーダフォン日本法人の買収等、日本企業が外国企業を買収するIN−OUT案件が上位を占めた。
06年前半での日本企業に対するM&Aのアドバイザリーのランキングは図Aの通りだが、クロスボーダー案件・大型案件は外資系金融機関が強い。日本の金融機関は、大型案件ではグローバルなネットワーク、調査力、提案力を持つ外資系に対抗出来ない。本格的なM&Aバンカーを志す若手が外資系への転職を望み、外資系のプロが日系への転職を躊躇する理由である。日本の金融機関のM&A部にはグループの金融機関から膨大な数の中・小規模案件が持ち込まれる。主として事業継承案件である。これを一種の「流れ作業」として処理するが、人手が足らず強い採用ニーズがあった。他の日本の証券会社やコンサルティング会社から採用していたようだ。
上記の通り日本でのM&Aは活発であったが世界の比ではない。世界のM&Aは4兆ドル(480兆円)近くに増大したが、日本のM&Aの世界の3%程度に過ぎない(日本のGDPは世界の10%程度ある)。また、日本のM&A総額は日本のGDP比5%程度であるが、米国や英国に比較して非常に低い(15%−25%)。即ち、国際的な水準に比較すれば、日本のM&Aはまだまだ拡大しなければならない。
06年は、王子製紙による北越製紙の買収提案により「敵対的TOB」の幕開けとなった。両社の主幹事証券であった野村証券が王子製紙側に立ったことは「慣行を打破する画期的な動き」として評価された。従ってTOBは、06年の1月から11月の間で57件、金額は前年の5倍以上の3.5兆円となった。07年でも、三角合併の解禁によりOUT−INのM&Aが増大が予想されることから、M&Aは引き続き拡大すると考えられる。一般的に「敵対的TOB」を忌避する論調があるが、これにより産業の再編が起こり日本企業の国際競争力を高めることになる。経営者の「自己保身」が反対の理由であれば論外だ。一方、最近増大するMBOは「経営者によるキャピタルゲイン狙い」ではとの疑念もある。また、日本のM&Aで企業価値が上昇したのは半分程度で、結局、投資銀行や弁護士事務所が儲かっただけとの指摘もある。07年の夏には金融商品取引法が施行され、M&Aのルールがより明確になる。07年ではM&Aの拡大と変質が起こり、人材需要も強いと予想される。
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(図B)
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(3) 資本市場ビジネス(会社により組織のあり方は異なる)
06年中に企業が「資本市場」で調達した金額は11.4兆円で前年比20%増となった。これは、普通社債の発行(DCM)が増加しない中で、エクイティ・ファイナンス(ECM)が前年比80%増えたことによる。(図C参照)。エクイティ・ファイナンスの目的は、M&Aのための大型資金調達やTOBの防止策としての新株予約権付き資金調達であった。海外市場でもM&A総額の1/3はファイナンスを利用している。しかし、日本では長期に亘りエクイティ・ファイナンスが低迷したため、全体的に、中堅のスタッフが不足している。従って資本市場ビジネスの急拡大により、各社とも人材を求めた。「ストラクチャード・ファイナンス」の人材も求められた。この職責の範囲は金融機関により異なるが、広くは証券化、MSCB等の新種のファイナンス、CDO等のクレジット・プロダクトの組成、顧客の負債サイドに対するさまざまなデリバティブの仕組みの提案を含む。ここでは仕組み力(クオンツ)が求められると同時に、新会社法、金融商品取引法、会計原則、税法等の法的知識が必要である。しかし最も必要な能力は顧客ニーズに対応するアイディアを生む「センス」である。今後この分野の人材需要は外資系においてますます増大すると予想される。
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(図C)
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2.投資ビジネス
投資銀行が企業や事業の売り先を見つけようとする場合、@「企業」であるストラテジック・バイヤーに紹介するか、Aファイナンシャル・バイヤーとして「投資ファンド」に紹介するか、またはB「証券会社」が自己資金を投入(プリンシパル・インベストメント)するかである。米国の場合M&Aの1/4は投資ファンドを使い、日本でもその割合は増えている。
日本向けに設定されている投資ファンド枠は、現在10兆円程度あるとされる。既存の外資系投資ファンドの内、強気のファンドは二号、三号ファンドを設定しているが、さらに欧米から新しいファンドの日本上陸があった。これら新規の設定額の合計は5兆円近いと言われる。しかし実際に投資された資金は合計で2兆円程度(借り入れを含む)である。大手の外資系金融機関や日本の大手証券会社のプリンシパル・インベストメントとの競合もあり、優良な投資案件の確保は至難の業である。しかし、日本の経済規模に比較すると2兆円程度の投資では小さすぎる。投資ファンドのプロたちの奮起を期待したい。
「投資ファンド」にはさまざまな戦略がある。ファイナンスを併用して買収するLBOファンド、MBOを支援するMBOファンド、ハンズオンを原則とするファンド、敵対的TOBも辞さないアクティビスト・ファンド、マイノリティ投資を原則とするファンド、目標IRRを低め(20%程度)に抑えるファンド、得意分野に特化するファンド、大型の投資案件を目指すファンド、反対に中小の企業をターゲットとするファンド、未公開株を狙うファンド、LBOファイナンスを束ねたメザニン・ファンド等である。既に出口に至ったファンドもあれば、枠を消化しきれず苦戦しているものもある。投資家は、投資先の経営に携わるジェネラル・パートナーと、投資ゲインだけを狙う年金基金等のリミティッド・パートナーに分かれる。最近日本への投資でも、米国勢を追って欧州資本の上陸が増えつつあり、さらにシンガポールや香港からも上陸しようとしている。
従って、確かに「既存」のファンドでの投資担当の人材需要は一巡しているが、投資ファンド全体での人材需要は引き続き大きい。しかし、人材にはそれぞれの戦略に沿って特別の専門性が求められることから、プロを探すのは容易ではない。若手に対する人材需要はコンスタントにある。
日本の投資市場としての問題点は、ニューヨークやロンドン等の海外市場に比較して魅力が薄いことだ。「日本の産業を守る」ことを大儀とした三角合併での高いハードルの設定や、外資によるTOBへの情緒的な反発は、最終的には日本企業の体力を弱めることになる。欧米市場で活躍している投資ファンドのシニアなプロたちが「日本市場は米国市場やロンドン市場とは異質で、やりにくい」と証言している。「欧米市場ではスティール・パートナーズ騒動は存在しない」と。KKRが06年になりやっと重い腰を上げて日本に上陸したのは、「日本市場が国際的に開かれていないから」との判断もあったのではないかと思う。
「投資ファンド」と「プリンシパル・インベストメント(自己資金投資)」との違いは、「投資ファンド」にはさまざまな投資条件が付いていること。一定の期間内に投資を行わなければならないこと。ファンドの投資家に「連結」問題が発生すること等で、やりにくいと言われる。「自己資金投資」であれば、リターンを直接享受することが出来ること。ファンドのような制約は無く、儲からなければ投資を行う必要はないことである。従って最近は、ファンドからの人材需要よりプリンシパル・インベストメントからの方が多い。
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3.ハイマージン・ファイナンス
企業やファンドが他の企業や事業を買収する際、自ら資金調達するケースのほか、被買収企業の資産や事業が生み出すキャッシュフローを裏付けとしたファイナンスを得る場合がある。LBOファイナンスである。不動産の取得では物件を担保とするノンリコース・ローンである。レバレッジを利かせる分エクイティの投資利回りは高くなり、リスクが高い分金利は高くなる。海外ではスプレッドがLiborに対して150−400bpsと高く、社債格付けは非投資適格となるのが通常である。LBOファイナンスは、一般的に、米国では社債として、欧州では銀行融資として行われる。欧州市場ではユニバーサルバンクの大きな収益源となっている。日本の金融機関の一つがロンドンで外人を採用して健闘しており、存在感を示している。
日本のLBOファイナンスは、ソフトバンクによるボーダフォンの買収に使用されたこともあり、06年では2兆円の取り組みで、05年を大きく超えた。日本でのLBOファイナンスには、外資系が行う「高度のもの」とメガバンクが行う「通常のもの」がある。「高度のもの」は日本の金融機関には難しく、例えば、ボーダフォンのLBOファイナンスではほとんどの日本の金融機関には声すら掛からなかった。逆に、日本の金融機関が行うLBOファイナンスは「リスクを無視した金利ダンピング」で、外資系は勝てない。
ハイマージン・ファイナンスにはシニアデットとメザニンに分かれる。メザニンはシニアデットとエクイティの中間(中二階)に位置し、シニアより返済順位が劣後する。当然利回りはさらに高い。劣後ローンのデット形式と優先株のエクイティ形式のものがある。メザニンは日本でも拡大しつつあり、06年での取り組みは1千億円を越えた模様だ。外資系投資銀行、独立系M&Aファーム、邦銀や日本の一部信託銀行がメザニン・ファンドを組成している。利回りは5−15%と高いため、機関投資家による投資需要も拡大している。将来日本でも年間1兆円の市場になると期待する向きもある。大手の日本の金融機関がロンドンやアジアで外人を採用し準備しているが、メザニンにはさまざまなコベナンツ(停止条件)が付され、複雑なキャッシュフローとなるため仕組みがややこしい。外資系が日本でメザニン・ファンドを立ち上げる場合、審査や仕組み作りは外人が担当し、日本人スタッフは営業周りを担当している。そのため、与信が出来る日本人プロの増大が期待される。
海外市場では、まずリスクの高いファイナンスを許容し、それを証券化したりファンド化して、投資家に販売するという一連のディールがある。デット部分とエクイティ部分は流れが異なる。一貫したディールであるから、ボロワー及び投資家のネットワークを要する。証券化やファンド組成の技術も必要である。この一連のディールの取り組みは日本勢には難しく、外資との提携を模索しているようだ。
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4.証券化
不動産の証券化は引き続き好調だが、その他のさまざまな資産や事業を裏付けとした証券化も拡大中である。人材需要は堅調であった。
(1) 不動産の証券化
不動産投資ビジネスでは、最近は美味しい物件が希少になり、競争も激化していることからキャップレートも3%前半に下がり、「バブル」に入ったとの悲観論がある。実際、淘汰も起こっている。しかしビジネス全体としては好調である。特にオフイスへの投資が堅調のようで、一時懸念された「オフイス2007年問題」は騒がれなくなった。また開発型も増えている。
「勝ち組」は引き続き業績も良く、強気である(図D参照)。あるトップクラスの米系投資銀行は新規に最大2兆円の資金を準備し、新たに欧米の巨大資本も参入を決定するなど、体力と加工力のある外資が有利な戦いをしている。日本の不動産に投資された内外の不動産ファンドは、私募で約10兆円余り、REITで4兆円余り、合計15兆円に及び、さらに拡大中である。これに住宅ローンの証券化(RMBS)の約5兆円を加えると不動産の証券化は20兆円にのぼる。人材需要は、投資不動産の発掘・購入、デューディリ、バリュエーション、CMBS組成、証券の販売、REITの立ち上げ・組成・運用である。従って、人材需要は05年のような爆発力は無いが、現在も根強い。しかし1000兆円以上(住宅と土地価額の合計)もある日本の不動産の時価総額に対し、20兆円程度では証券化の規模はまだ小さい。
しかし懸念無しとも言えない。特に邦銀によるリスク無視の不動産向け融資の拡大である。06年9月末の国内銀行の企業向け貸し出しに占める不動産向けの割合は18.5%で、バブル期を超えている。大手11行の不動産に対するノンリコース・ローンは6.6兆円で、1年間で約30%増えた。従って金融当局は懸念している。また、内外の金融機関やファンド運営会社による不適当な会計処理や不十分な審査に対し、当局の処分が続いている。この夏の「金融商品取引法」の施行で投資家保護が強化されるが、不動産ファンドが「不動産ビジネス」というより「資産運用(オルターナティブ)」として位置づけられる。これらに伴い、求められる人材像も変化している。
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(図D)
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(2) 事業の証券化や特殊なABS
特定の事業から将来発生するキャッシュフローを裏付けとする「事業の証券化」が拡大している。06年の推定調達金額は1.7兆円で、05年の4000億円から大きく増えた。これはソフトバンクによる携帯電話事業の証券化(1.5兆円を含む)が主因である。その他通信事業、パチンコホールなどの事業が証券化されている。このため、事業の将来性の厳格な評価、コベナンツ等の法的プロテクションの整備等を要する。大掛かりな事業の証券化は日本の金融機関には難しい。外資系の投資銀行が人材を探しているが適格者が極めて少ない。その他、倉庫等の物流施設、在庫やトラック等の動産を担保とした融資、病院、葬儀場、ゲームソフトや映画等のソフト等、さまざまな事業の証券化・流動化が起こっている。しかし規模が小さいものは金融機関にとって採算に乗らず、人材需要も特に強いものではなかった。
邦銀の国内融資をCLOに仕組むビジネスでの人材需要は、不良債権問題が解決したため聞かなくなった。通常の国内融資は、邦銀の「金利ダンピング」のため証券化しても採算に合わない。一時叫ばれた邦銀の「市場型間接金融」の底の浅さが伺える。邦銀は海外店で貸出債権のCLOを拡大しつつあり、ノウハウ取得のため外人のプロを採用しようとしているが苦戦している。
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5.クレジット・プロダクツ
世界市場でクレジット・デリバティブ(CDS)が急拡大している。06年末での想定元本残高は22.2兆ドルにのぼる。日本でも06年末の残高は1434億ドルで、前年同期比3倍近くに拡大している。国内のCDS指数も整備されつつある。(図E参照)。
しかし、日本のクレジット市場は基本的に合理性を欠きスプレッドが小さいことから、なかなか成長しない。日本もののCDSの日本人プロは希少で、トレーダーの人材需要は相変わらず聞かれない。しかし海外のクレジットものに対する投資需要は拡大している。外資系金融機関では債券本部のノンフロー・グループが、海外のCDOを日本の機関投資家宛てに販売しているが、そのマーケター(プロダクト担当)に対する人材需要は強かった。また、CDSを使用した運用手法も進化しており、クレジットCPPI(コンスタント・プロポーション・ポートフォリオ・インシュアランス)やCPDO(コンスタント・プロポーション・デット・オブリゲーション)等、新商品に理解力のあるプロへの人材需要も出ている。
ハイマージン・アセットへの投資が増えている。人材需要も強い。LBOファイナンス、サブパフォーミング・ローン、非投資適格の社債、メザニン、MSCB、非上場株式、PIPES等幅広い。これらは高利回りで流動性も無いことから、基本的にバイ・アンド・ホールド(持ち切り)となる。投資ファンドで投資する場合やプリンシパルで購入する場合がある。そのようなアセットのソーシング担当、トレーダー、リスク分析・加工担当者への人材需要が大きい。また、これらのアセットの投資家への転売担当者への需要もある。ハイマージン・アセットのプロが極めて少ないので、ターゲットは購入担当者(ノンバンクや不動産会社の人)であるが、なかなか人材が集まらない。
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(図E)
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6.債券・外国為替・デリバティブ・コモディティ
外資系金融機関の債券本部は、機能別、マーケット別、商品別のグループを、環境の変化に従って機敏に組み合わせを変え、最も効率的な組織にする。即ち、最も顧客ニーズに対応している商品に注力し、収益的な商品を開発する。この機敏さ(時にはやり過ぎるが)は日本の金融機関には真似出来ない。
最近の「商品開発」では、特定の商品というより、金利、為替、エクイティ、コモディティ、ファンド・デリバティブ等を合成した「ハイブリッド商品」が注目されており、商品横断的な組織が作られる。これに対応出来るプロが求められている。また、「営業」では、顧客の多様なニーズに対応し、さまざまな金融商品を提案する「良き」営業マンが求められている。また、顧客の運用サイドより負債や資本調達に対するデリバティブの仕組みが収益的であるため、債券部と投資銀行部の合弁グループが作られている。従って求められる人材像は、特定の商品に高い専門知識を持つ人というより、顧客ニーズに対応した商品を考案する「センス」の良い仕組み担当者であり、「コミュニケーション能力」のある営業マンである。
06年で注目されたのは「外国為替」のプロに対する需要の復活である。これは、日本の投資家による海外ものに対する投資や投機が活発化したことによる。現在、投信の4割は外貨建てで、外為証拠金取引は6700億円にふくらんでいる。外国為替市場でも無視出来ない存在となっている。また日本の海外直接投資も前年比10.6%増の503億ドルある。海外要因では、ヘッジファンドが引き続き活発に円キャリートレードを行っており、この種の投資額は10兆円に及ぶと言われている。高いレバレッジを利かせるため、為替レートの大きな変動要因となっている。従って、ヘッジファンドや一部の外資系金融機関が為替の人材を求めていた。しかしこの商品は、長期為替を除き、長らく「儲からない」とされたため人材が育っていない。また、為替のプロに対する人材需要は市場環境で変わるため、07年での需給は予想出来ない。
注目されたもうひとつの商品は「コモディティ」である。06年は原油価格の高騰に引きずられて投資マネーが国際商品市場に流れた。最大の商機として、欧米の金融機関がプロのトレーダーの争奪戦をしていた。オイルのトップクラスのトレーダーには年収10億円もの値段が付いた。日本の金融機関も追随しようと、ロンドンでエネルギーのプロの採用を試みたが、年収の問題だけでなく、低いリスクの許容度やリスクマネジメント・システムの遅れ等で、全く相手にされなかった。しかし、日本の企業が抱えているコモディティの価格変動リスクは膨大であることから、日本の金融機関もいつかはコモディティ・ビジネスを社内に立ち上げなければならないと思う。
また、債券本部の注力顧客では、大手金融法人や年金基金は競争の激化やコンプライアンスの強化で儲からなくなっているため、宗教法人・財団等のミッドマーケット、オーナー系中堅上場企業、未上場企業、そしてリテールに移っている。ミッドマーケットや中堅企業宛てセールスでは日本の金融機関の若手が好まれた。また、債券部や株式部は「グローバルマーケッツ」と称されマーケット商品を取り扱うが、求められる人材は、担当商品に専門性を持つと同時に、企業金融に対する理解力を持つ人である。即ち、顧客の資本政策やALMの「ソリューション」として、担当のプロダクトを提案しなければならないからである。
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7.アナリスト
シニアなセルサイド・アナリストの転職は、基本的に、当社のような業者を通じて行われることは少ない。採用側は直接声を掛ける。即ち、これらのプロにはランキングが付いており、論文や分析が公表されているからである。一方、エンロン事件に伴うウオールの明確化、コスト削減、企業と投資家の直接的な接触により、アナリストへの人材需要は小さくなっている(但し、インターナル・ヘッジファンドへの助言等社内のポジションもある)。従って、シニアなアナリストは人脈やノウハウを活用して、ヘッジファンドやブティック型のM&A助言会社を立ち上げている。また、投資銀行のカバレッジ・バンカーやバイサイドのアナリストやファンドマネジャーに転職していた。但し、若手に対しては、セルサイド、バイサイド、ヘッジファンド、投資銀行部門で常に需要があった。
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8.資産運用
(1) 伝統的資産運用
投資顧問ビジネスでは、06年9月末の投資一任業者(135社)の契約資産残高は、同年6月末対比6.5兆円増の145.8兆円となり、過去最高を更新した。国内顧客、海外顧客、公的・私的・海外年金とも残高を増やした。人材需要も回復しつつある。
投資信託は「貯蓄から投資へ」の流れを受けて急拡大している。06年末の公募株式投信(外国債券への投信は株式投信に含まれる)は55.6兆円と急増中である。(図F参照)。公募投信に私募投信やREITを含めると、投信全体の純資産残高は前年比26%増の105兆円になる。商品もグローバル債券、エマージング・マーケット、バランス型、毎月分配型、小口化されたヘッジファンド等々多様化している。顕著であったのは、内外の金融機関(銀行、証券、資産運用会社とも)における「リテールシフト」であった。SMAやリテール向けヘッジファンドの運用、リテールビジネスの再構築のための経営者等のポジションで、人材需要があった。
401(k)は、06年末での加入者数は2百万人、総資産は3兆円となった。その内、投信での運用は1兆円と毎年「順調」な拡大を示している。しかし日本の401(k)は制度的な制約等により米国の401(k)に比較すべくもなく、かつ大企業での導入が一巡していることもあって、人材需要は特に聞かれなかった。
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(図F)
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(2) オルターナティブ
オルターナティブの典型であるヘッジファンドの総額は世界全体で1.4兆ドル(ファンド数は8400以上)あると言われる。通常レバレッジ(借り入れ)を利かせて運用するため実際にはその数倍のインパクトがある。最近ではパフォーマンスの低下傾向が見られたものの、運用難からその規模は年々増大している。06年での純増加額は1000億ドル超といわれる。06年ではロング・ショート戦略のパフォーマンスが回復し、年利回りは9.23%の高騰率であった。これはヘッジファンド全体のパフォーマンスの向上に1/3程度貢献した。M&A裁定も10.73%の高騰で好成績であった。先進各国にヘッジファンドの規制強化の動きがあるが、ヘッジファンド関連ビジネスは、いまや米系トップクラスの投資銀行の大きな収益源になっている。米国政府はこれをどのように裁くのか?(図G参照)。
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(図G)
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ヘッジファンドの運用者
05年に引き続き「和製ヘッジファンド」の設立の動きがあった。06年末でのファンド数は69(日本株のロングショート戦略のみ)に増えている。(図H参照)。しかし、独立する場合のキープレーヤーが知人で固められていることや、国内のヘッジファンドの運営会社はいずれも小体であるため、人材需要の数は少ない。しかし、海外の大手のヘッジファンドから「日本もの」(JGB、円金利、為替)の運用者のニーズがあった。多くはグローバル運用であるから、勤務地はロンドンやシンガポールであった。
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(図H)
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ヘッジファンドの仕組み担当とセールス
日本の機関投資家はヘッジファンドに対して9−10兆円投資している(主としてファンド・オブ・ファンズである)。内、3兆円程度は年金基金であり、他は都銀、生命保険、損害保険、地銀、ノンバンクと個人である。バーゼルUにより地銀は買いにくくなったが、機関投資家全体としてはヘッジファンドへの投資を増やしている。従って、主として外資系でプロの需要が強い。本社と連絡を取り日本の投資家向けに加工したり、セールスに同行して商品を説明するプロダクト担当、ヘッジファンドの機関投資家向けセールス、さらに最近は、リテール向けの人材需要が増えている。
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機関投資家での投資担当とファンド・オブ・ファンズのゲートキーパー
日本の機関投資家でのヘッジファンドのファンドマネジャーは自らのトラックレコードを持っておらず、正直「プロ」とは言い難い。しかも機関投資家の投資先は主にファンド・オブ・ファンズ(FOF)である。この担当者も多くは内部からの転勤者であった。独立系FOF運用会社には、世界を飛び回り優秀なファンドマネジャー(運用界のイチローを探せ!)を見つける日本人の「プロ」のゲートキーパーがいる。しかし極めて少ないので、プロが育って欲しいと願っている。
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プライム・ブローカー
プライム・ブローカーと呼ばれる「ヘッジファンド支援ビジネス」は、欧米のトップクラスの金融機関の大きな収益源となっている。日本でも高い収益をあげている。プライム・ブローカーはファンドマネジャーに対して貸し株やレバレッジ(ファイナンス)を提供する。このビジネスは、例えば日本株の保有者(カストディ)が世界に分散しているためグローバルなネットワークを要する。日本の証券会社では絶対にムリである(一部の大手の証券会社や保険会社が真似事をしている)。一部に強い人材需要があるが、候補者はバイリンガルに限られるので、人材は極めて少ない。
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ヘッジファンド宛てセールス
ヘッジファンド宛てセールスでも人材需要が強い。ヘッジファンドは世界中の金融商品の購入・売却を繰り返すが、当然に日本もの(JGB、スワップ、為替、フューチャーズ、日本株等)にも投資する。人材需要は外資系金融機関の日本法人でもあるが、採用に躍起となっているのは日本の証券会社である。東京本社に加えロンドンでも採用したいと考えている。しかし、有力ヘッジファンドにとっては、トップクラスの欧米投資銀行が日本で十分な能力を持っているのに、敢えて日本の金融機関を利用する必要はない。候補者は日本人でも外人でも良い。但し、候補者は、ヘッジファンドのファンドマネジャーと個人的な関係を持ち、クオンツ力や資金フローの分析力を有し、ヘッジファンドにストラテジーを提案出来るプロである。
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ファンド・デリバティブ
ファンド・デリバティブも注目された。投資家のポートフォリオに対して、エクイティ・デリバティブやCPPIを駆使してリスクをヘッジする。これを生命保険、銀行やリスクを回避したい個人富裕層宛てに提案する。欧州系のユニバーサル・バンクは巨額のヘッジファンドを保有しており、ファンド・デリバティブは、欧州系の方が米系より強いと言われる。米系も人材を確保して急追している。しかし、日本においてはプロが希少である。
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9.リテールビジネス
日本の個人金融資産は06年9月末で1495兆円(日銀発表)あり、日本人一人当たりの個人金融資産額は世界一である(但し一人当たりの国民所得は14位)。金融人材需要の中で、現在もっともホットな分野は「リテールビジネス」である。これは個人金融資産のリスク資産へのシフトにもよるが、この夏試行される「金融証券取引法」による規制の強化と柔軟化の中で、人材需要の中身が変化していることにも起因している。
本稿で言う「リテールビジネス」とはNRIの分析(図I参照)する「アッパーマス層」、「準富裕層」、「富裕層」を指す。即ち、「超富裕層」(ウルトラリッチ)とマス層(サラリーマン等一般の個人)の間である。その中でも特に「準富裕層」と「富裕層」の合計は全世帯の7.2%だが、個人金融資産額全体の約25%の349兆円を持つ。05年の残高は03年前に比較して22.9%も増えている。「富裕層」の金融資産の内、株式は27%(個人金融資産全体では7.8%)で極めて高い。投信や債券の保有率も10%程度で全体の2−3%より高い。05年の日経平均株価は40%値上りしがたが、これらの層が最も恩恵を受けた。即ち金融リテールビジネスにとって最も収益的な層である。「アッパーマス層」はその予備層として、戦略的なターゲットに加えられている。団塊世代の退職金が07年から3年間に38兆円支払われるが、「これらの層」に入ってくる。団塊世代の退職金の1/3程度がリスク資産に投資されると言われている。従って、邦銀、日本の証券会社、外資系の銀行および証券会社、資産運用会社等、あらゆる金融業態が「これらの層」の個人資産の争奪戦を繰り広げており、人材の需要も非常に強い(但し当社の分析には、フィナンシャル・プランナーや銀行や証券会社での販売担当者を入れていない)。
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(図I)
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従って、大手の日本の金融機関がリテール戦略を強化している。大手6行の投信残高と個人年金保険の累計販売額は、06年9月末で20.9兆円に上り、前年同月比36%増加した。また、大手銀行系証券会社6社の預かり資産(株、債券、投信)は06年12月末で62.4兆円で前年比8.0%も伸びているが、証券大手3社の残高は141.7兆円で伸び率は3.2%に過ぎない。個人金融ビジネスでは「銀行系が有利」であることが裏付けられている。大手6行の「業務粗利益」が落ち込む中で、「リテール部門収益」は過去3年間で15%増加している。
しかし、今後もメガバンク有利かは分からない。即ち、金融証券取引法の施行で銀行業と証券業の垣根が低くなり、「証券会社に有利」と考えられている。また、メガバンクは、顧客を法人取引(大企業・中堅企業)と個人取引(ATMの顧客)に二分しており、その中間に個人富裕層があり、別の戦略が必要であるという考え方が無い。また、自らリスクを取り魅力的な商品を作ることも無い。メガバンクは外資系金融機関や専門の運用会社から投信や個人年金保険を仕入れて店頭で売り、手数料を稼いでいるだけである(メガバンクは「金融小売業者」に落ちぶれたと)。また、邦銀のリテール部門の収益は全体の2割程度と言われるが、全収益の半分程度をリテール部門で稼ぎ出す欧米の金融機関とは比較にならない(もっとも、邦銀の部門別損益計算もあやしいものだ)。メガバンクの人材はフィナンシャル・プランナーを除いてすべて内部調達している。
外国資本が所有する日本の中堅の銀行や日本の準大手の証券会社は、固有のビジネスモデルを持ちリテールビジネスを推進している。ここではマネジメント、経営戦略策定、商品戦略策定と執行、営業指揮、教育、トレーニング等のポジションで強い人材需要がある。しかし、日本には「旧来型」のリテール経験者しかいないので、人材採用に苦戦している。
数は少ないが、外資系のプライベート・バンクが活動している。また最近、大手の外資系金融機関が、あらたに日本の金融リテール・マーケットに参入しようとしている。これらは、グローバルなマーケットでの実績とノウハウを持って日本市場に乗り込んで来る。それぞれ独自の戦略を持つ。インターネットへの特化、住宅ローンでの邦銀との提携、日本の小売会社との提携、さらには地銀の買収である。人材需要が予想される。
外資系金融機関による日本市場への参入では成功した例は少ない。失敗の理由のひとつは日本における代表者が外人で、海外でのビジネスモデルを直接日本市場に持ち込もうとすることに起因する。日本市場の後進性は明らかだが、だからと言って、外資系も同じ失敗の繰り返しでは能が無い。
既存の大手外資系の証券・銀行・資産運用会社が戦略を「リテールシフト」している。リテール向けの商品の設計・運用で活発に人材採用している。債券、株式、ファンド等の投資商品を、金利・為替・エクイティのデリバティブを駆使してリスクを軽減し、小口化している。日本の金融機関へのマーケティング力も強化している。そのための組織変更と人材需要が起こっている。
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第二章 外資系金融機関と日本の金融機関の「違い」について
1.外資系金融機関のビジネスと人材需要
06年のトップクラスの外資系金融機関は、グローバルに、投資銀行ビジネス、債券、株式、それらのトレーディング、企業や事業へのプリンシパル・インベストメント等のいずれの分野でも高収益を上げた。(図J参照)。中でもゴールドマン・サックスの圧勝で、新聞報道によれば、同社の社員の平均年収は62万ドル(73百万円)で前年比25%増えたとのこと。同社は「会計上」では、投資や債券や株のトレーディングで高い収益を上げているが(図K参照)、それを可能にしたのは、高度のリスクマネジメント力、調査力、各部門の営業力、ファンドとの広大なネットワーク、そしてそれらを支えた投資銀行部門の力である。即ち総合力の賜物である。ゴールドマン・サックスの高い収益力を見せ付けられた他の米系投資銀行は、一斉にプリンシパル・インベストメントを強化した。06年の外資系金融機関は日本でも大きく稼ぎ、さまざまな分野で大量に人材採用した。しかし外資系金融機関の二極化は明らかで、「勝ち組」はせいぜい欧米系の十数社であろう。また、欧州経済の活況を受けて欧州資本の買収ファンドやヘッジファンドによる日本進出が目立ち始めた。
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(図J)
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(図K)
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2.日系金融機関の現状
(1) メガバンク「劣後」の理由
銀行業務、投資銀行業務・証券業務のいずれにおいても、日本の金融機関の業績はトップクラスの外資系金融機関に比較して大きく「劣後」している。(図L、図M、図N参照)。
しかも、その「劣等生」の成績ですら、政府の手厚い保護や民間の大きな犠牲で作られたものである。即ち、公的資金の投入は37兆円に及び、低金利政策により預金者から銀行に移転された所得は280兆円と計算されている。これにより100兆円もの銀行不良債権が処理された。しかも、利益を計上しながら法人税を払っていない。勿論、それは今や「日本史」の中で起こった事件であり、今更「そうすべきで無かった」とクレームしても仕方が無い。要は、失われた15年の「主犯」である銀行経営者がそのような認識に立ち「危機感を持って改革に取り組んでいるか」である。当社は全く評価していない。即ち、05年には「改革」に始動したと見られたメガバンクは、06年に入り危機感を喪失し、あるメガバンク役員は「当行は儲かっているから血を流してまで改革する必要はない!」と言い切った。また、あるメガバンクの首脳が年初のインタビューで「当行は世界の一流金融機関の仲間入りをした」と「勝ち組」宣言をした(しかし、日本の金融機関の世界の金融機関の中での時価総額ランクは、06年12月末で、三菱東京UFJ8位、みずほ23位、三井住友28位である)。さらに、メガバンクは本来最も「後回し」にすべき株主への増配を先行した。役員の報酬を上げ、行員に「バブル崩壊後最高額のボーナス」を支払い、新卒の初任給を上げている。市場の考えでは、もしメガバンクが「儲かっている」のであれば、第一に顧客に還元すべきであり、法人税を払うべきではないのか。さらに呆れるのは、あるメガバンクの首脳が広告で「当行は顧客第一主義です」と胸を張っている姿だ。しかし、元々ビジネスにおいて「顧客第二主義」があるのだろうか?当社は人材会社として、トップクラスの外資系金融機関の本社役員とお目に掛かる機会があるが、彼らと邦銀の経営者の「質」の違いは明らかである(勿論立派な邦銀役員もいる)。この「閉鎖社会」に住むメガバンク役員の「首に鈴を付ける」のは誰なのか?銀行アナリストに期待したいが、彼らは、敢えて日本の金融機関の財務・経営状況と欧米の金融機関のそれらを比較しない。メガバンク同士の相対比較に止めている。これを大新聞や経済誌が無批判に垂れ流す。彼らには「能力が無い」か「メガバンクを批判しない」という暗黙の合意があるのだろう。我々が知る気骨のあるアナリストたちは、日本の金融ビジネスを「見限って」いる。
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(図L)
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(図M)
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(図N)
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(2) メガバンクの戦略
メガ3グループは、国内の金融マーケットが寡占化され「従来の戦略」ではシェア拡大が見込めないことから、新しい分野を攻めている。しかし、いずれも「正攻法」ではない。
@
証券会社を攻める。かつて証券会社の商品であった投資信託は、現在、銀行が過半を売っている。銀行は外資系や専門会社が作った「リスク金融資産(投信や個人年金保険)」を仕入れて手数料を稼いでいる。銀行はリスクを回避し「金融小売業者」に落ちぶれているが、本来の銀行機能は「信用創造」ではなかったのか?欧米一流金融機関は膨大なリスクを取り収益を上げている中で、邦銀は「一周半遅れ」の経営を進めている。
A
弱い融資先に対するシンジケート・ローンとデリバティブの押し付け。通常の個別融資を「シンジケート・ローン」に仕組み直し、幹事(メインバンク)がアレンジメント・フィーを取る。また、顧客が望まないのにオプションやスワップを買わせ、非金利収入を増やす。いずれも弱い融資先を対象にしている。
B
金利ダンピングして海外融資を増やす。06年9月末でのメガ3グループの海外向け貸出残高は合計22兆円強で、前年同期比、36%増えている。リスクを無視したダンピングレートであれば増えるのは当然だ。メガバンクは80年代の海外戦略に回帰している。
世界の金融市場での存在感を得るため、メガバンク・グループは米国での金融持株会社(FHC)の資格取得を目指している。しかし現実には、「業務改善命令」を受けて頓挫している。たとえそのような資格を取得しても、日本の金融機関は米国市場では全く歯が立たないだろう。地元の投資銀行を買収するというが、買収された金融機関の人材(ノウハウ)はすぐに逃げ出す。UBSやドイツ銀行ですら米国市場で認知されるまでに10年を要した。メガバンクにそのような気力と体力と謙虚さがあるとは思えない。メガバンクが海外での業容を拡大したいのであれば、ロンドン市場の方が組みし易いと思う。近年ロンドン・欧州市場の拡大は顕著である。銀行業の優位性(融資)が使えるし、米国より市場が開かれている。また、アジアにフォーカスする金融グループもある。
当社は「日本のメガバンクは国内市場に専念すべきだ」とか「日本の金融機関のすべてが間違っている」と主張しているのではない。メガバンクの間でも経営に「違い」が見え始めている。「改革」を進める金融機関や部門での人材採用のお手伝いをさせて頂きたいと願っている。
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(3) メガバンクの「外部採用」に対する提案
@ 「人事評価制度や報酬制度」を人材市場に対応したものに変えること。
日本の金融機関はいまだに「年功序列」の人事体系(終身雇用は崩れた)を固持している。これを早急に、「ゴールドマン・サックス」の報酬制度でもなく、「旧来の日本型」制度でもない「新しい」人事・報酬制度に再構築しなければならない。「プロ職」や「プロ契」と言った「ごまかし」の制度ではなく、一流プロが入社可能な制度を考案しなければならない。当社は日本の金融機関から依頼を受けトライするが、「少しの変革」ですら至難の業である。最近のマスコミに「銀行員の年収が半減してかわいそうだ」とか「メガバンクの頭取の年収は低すぎる。重要な職責だから数億円は貰うべきだ」という論調がある。本末転倒の議論だ。市場経済での年収は「かわいそうだ」とか「社会的に重要な職責だ」で決められるものではない。「報酬」は「貢献」の対価として支払われるべきもので、「儲かっていなければ年収は上がらない」のが常識だ。「格差社会問題」ではない。
A 部門長や部長のポストに対し「外部」からプロを採用すること。
どんなビジネスでも、「プロ」は日々さまざまなリスクに晒されながら苦闘している。局面では「独断専行」することもある。従って、プロは「プロの上司」の下でなければ戦えない。外資系金融機関の部長や部門長(マネジング・ディレクター)は皆「現場上がり=プロ」だ。しかしメガバンクの執行役員部門長や部長は、依然として「ジョブ・ローテーション」で就任する「素人」である。また、銀行自体に専門性が無いので当該部門で長い経験を持っている人も「素人」だ。従って、外資系の一流プロは日系に興味を示さない。
B 応募者の「キャリア計画」に沿った説明・説得をすること。
最近の金融マン(40歳程度まで)は、「キャリア」を最も大切にする。この傾向は当社のアンケートでも確認されている。従って、「当行は日本を代表する銀行だ」とか「トップクラスの外資系金融機関で年収が高い」というセリフは「殺し文句」にはならない。彼らは、「不確実性の時代」を生き抜くには「キャリア」しか無いと確信している。これを理解していない銀行の「偉い人」が多い。
C 「経営自体」の抜本的な改革を進めること。
種々「付け焼刃」の手直しをしても優良なプロは応募しない。グローバル・スタンダードに沿った「経営改革」を進めなければならない。例えば、邦銀にはトレジャラーやCFOと呼ばれる資本政策を司る経営ポジションが無い。「資本コスト経営」が行われていないため、意思決定が遅く判断基準が不明瞭で、「儲かりもしない」ビジネスに大量の人材やコストを配分することになる。結果、欧米の金融機関から大きな差を付けられている。
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おわりに
06年ではM&Aのプロの争奪戦が展開されたが、M&Aは「企業・事業価値」の争奪戦であり、その企業・事業価値の核心は「人材」と言われる。一方「もの作り日本」と言われるが、日本人が「もの作り」に長けている最大の理由は、戦後蓄積された「技術開発力」ではなく、太古の時代から日本人の心に醸成された「日本人のものの考え方(身近なものに「美」を感じ、それを「具現化」するという一種の宗教観)」である。従って、そのような「人材」を「マネーゲーム」で売買することは出来ない。しかし、日本の製造業は世界市場で厳しい競争に晒されており、まして金融はグローバルなビジネスである。筆者は、「日本の金融機関や金融市場は米国や英国には勝てない」と考えているが、これは、東京の大手町や六本木、ロンドンのシティ、ニューヨークのダウンタウンやミッドタウンを歩いてみればすぐに感じられる。金融相が「東京市場のウインブルドン化」を叫んでいるが、何の道筋も示されていない。しかし、日本の金融は「もの作り日本」を守り、日本企業を支援するという使命を負っている。日本人金融マンには、そのような「志」を持って奮闘して欲しいと願っている。
以上
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ESPのプロダクト別アサインメント残高(平成19年1月31日現在) |
金融ビジネス
|
件
|
%
|
プロダクト
|
| 投資銀行ビジネス |
15
|
26.8
|
カバレッジ、M&A、引受け、IPO |
| 投資ビジネス |
7
|
12.5
|
バイアウト等ファンド投資、プリンシパル・インベストメント、VC |
| ハイマージン・ファイナンス |
8
|
14.3
|
LBOファイナンス、メザニン、ストラクチャード・ファイナンス |
| 証券化とクレジットプロダクト |
6
|
10.7
|
不動産の証券化、事業の証券化、CDS
CDO/CLO |
| 債券・外国為替・デリバティブ |
4
|
7.1
|
デリバティブ、仕組み債、為替、コモディティ |
| 資産運用 |
8
|
14.3
|
ヘッジファンド、投信・投資顧問 | |
| リテール |
6
|
10.7
|
個人富裕層宛てビジネス | |
| その他 |
2
|
3.6
|
リサーチ、コンプライアンス等 |
|
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| 合計 |
56
|
100.0
|
|
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筆者のプロフィール:
小溝 勝信(こみぞ かつのぶ)
1968年東京大学教養学部国際関係論分科を卒業し、住友銀行(現三井住友銀行)に入行、主として国際部門に従事した。1984年に外銀に転じ、
ファースト・シカゴ銀行東京支店の事業法人部長に就任した。人材コンサルティングに転ずるため、1989年米国の大手ファームの一つであるホイットニー・グループ日本支社に入社し、副支社長に就任した。1993年、日本型のエグゼクティブ・サーチの創設を目指してヘッズジャパンに転じ、金融部門マネジング・ディレクターに就任した。2004年エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ株式会社を設立した。
このレポートは、筆者がヘッズジャパンで1994年以来半年毎に報告していた「外資系金融機関の最近の人事事情について」の連続版である。
エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ株式会社(ESP)のプロフィール:
小溝勝信が15年の経験の集大成として2004年に設立された。日本の金融人材市場に、初めての、本格的な、日本版の「エグゼクティブ
・サーチ・コンサルティング」の創設を志します。
詳細はホーム・ページ
をご参照頂きたい。
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